オリンピックのカーリングが面白かったので、次見る時用に色々まとめてみた。

2022年2月に行われていた冬季の北京オリンピックで初めてカーリングという競技をしっかり観戦したのですが、何あの競技めちゃくちゃおもろいじゃん!ということに気付きました。

正直スポーツというものは「体を動かすもの!運動!スポーツ!」みたいな頭カチカチ昭和脳だったので、カーリングというものを少しバカにしてしまっていた点がありました。しかし、ゲーム好きだったことから近年話題になっているe-Sportsというものから「sports(競技)」という単語の本来の意味も知ったことで、過去の自分を反省し、一度しっかり見てみようと思ったら、めちゃくちゃ面白くてなんだこれヤベーとなった次第です。

そんな面白さに気付いたカーリングなのですが、いかんせん見始めたばかりの時は、ルールも分からなければ解説の人が喋る用語のようなものも理解できずに少し楽しみづらい印象でした。
そこで、次にカーリングを見る時にまた色々調べなくても済むようにここにまとめてしまえ!という風に思い立ったので、この記事に出来る限りまとめて行こうと思います。

目次

カーリングの歴史

「カーリング」という競技名の由来は、投げた石がゆっくりと曲がっていく(カールする)というところにあると言われており、その歴史は明確には分かっていないものの1511年の日付が刻印されたカーリングストーンがスコットランドで見つかっています。
また、ベルギーの画家「ブリューゲル」によって描かれた「雪中の狩人(1565年)」という作品には、凍った池の上で人々がスケートやカーリングをして楽しんでいる様子が確認できます。

その後は北米や欧州諸国に移住した人たちの間で盛んになり、異なる町や地域、そして国の間でも対抗戦が行われるようになりました。そのなかでも特にカナダで盛り上がっており、現在の公式ルールは主にこのカナダで確立されたものです。

オリンピック競技としての採用は1998年の長野オリンピックからなので、日本の初メダルは採用されてから5回目、そして6回目銀メダルを獲得したことになりますね。

カーリングのルール

見始めたばかりの時は本当にルールがさっぱり分からなくて困惑したのを覚えていますが、分かってしまえばそんなに難しくはありません。

カーリングの試合進行

カーリングは1チーム4人で、それぞれのチームが先攻と後攻に分かれ、「ストーン」と言われる上部に取っ手の付いた石を「ハウス」と言われる円状の的の方に向かって、各チーム1人2投の8投ずつ、計16投投げます。
この16投投げ合うのを一括りにして「エンド」と呼びます。

ハウスの中央から最も近いストーンを「ナンバーワン」2番目に近いストーンを「ナンバーツー」3番目に近いストーンを「ナンバースリー」……と呼び、エンド終了時にナンバーワンを保持しているチームのみが得点できます。
この時、ナンバーワンのみならずナンバーツーも同じチームが保持しているなら2得点、ナンバーワンとナンバーツーとナンバースリーを同じチームが保持しているなら3得点と、複数得点も可能です。
3得点以上獲得したエンドのことを「ビックエンド」と呼んだりもします。

10エンド終了時に得点が多い方が勝利、10エンド終了時に引き分けなら延長戦となり差が生まれるまでエンドを繰り返します。

カーリングの先攻・後攻

カーリングはエンド終了時にハウスの中央に最も近いストーンを保持しているチームが得点できるというルール上、最後にストーンを投げることが出来る後攻が圧倒的有利になっています。
そのため、得点を獲得した次のエンドでは先攻をする両者得点なし(「ブランクエンド」という)の場合は先攻と後攻を変えないまま次のエンドを行うというルールになっています。

そのため、ゲームを進行する上での基本方針は
先攻:相手に得点される数を出来るだけ少なく収めたい
後攻:出来るだけ多く得点したいor後攻を継続したい

ということになり、これを知っておくだけでも観戦がずっと楽しくなると思います。

また、一番最初の先攻後攻を決める方法は、各チームの代表者がハウスの中心に向かってそれぞれ2投ずつ投げる「LSD(ラストストーンドロー)」というものを行い、ハウス(円状の的)の中心からの距離の合計が小さいチームが先攻・後攻を選ぶ権利を得ることが出来るというものです。

Tips

2022年の北京オリンピックでは3チームが同順位になり、かつ該当チーム間の勝敗でも差が付かなかったため、予選ラウンド全試合のLSD計測値の中から一番悪いものを差し引いた平均値(DSC(ドローショットチャレンジ))の差により、イギリスに次ぐ4位となって準決勝に進出できました。

ここまでに書かれていることさえ頭に入れれば十分に観戦は楽しめると思いますが、その状態で色々人前で語っちゃうのはちょっと待って!まだ一つ重大なルールが残っているので、そのまま語っちゃうとニワカがバレます!

それは「フリーガードゾーンルール」です!

各チーム合わせて5投目までは、フリーガードゾーンにあるストーンをテイクアウトしてはいけないというルールがあります!
このルールがあることによってハウス内に貯まるストーンやガードの数が増え、得点が動きやすくなるため、試合が面白くなるため採用されているようです。

もっと細かいルール

・持ち時間:38分(エキストラ・エンドでは4分30秒)
・5エンド終了の後に5分間のハーフタイムが取られる(これがいわゆるもぐもぐタイム)
・各チーム1試合中に1回までコーチの助言を仰ぐことができ、コーチが席から移動するまでの間のみ時計が停止される。
・試合途中で自チームの勝ちが望めない場合は、スキップ(チームの主将のような存在)が相手チームに握手を求めることで負けを認めゲームを終了させることができる(コンシードという)。

カーリングの豆知識

常に緻密な氷の状態の把握や投げる力の調整が求められる上に高度の戦術や戦略が求められるカーリングは、氷上のチェスと呼ばれるほどのスポーツですが、実はこの競技には審判が存在しません。
それはゴルフなどと同じようにフェアプレー精神が基本理念としてあり、お互いがお互いにフェアプレーで行うという信頼の基で行われる競技ということです。

なにそれ、超カッコいいじゃん。すげえ素敵なスポーツじゃんって、自分は感動しました。

解説実況をより楽しむための、用語一覧・解説

本文中に紹介した用語も重複して紹介します。
また、観戦を楽しむための用語一覧ですので、意味的には被っていても敢えて分けている項目もあります。ご了承ください。

50音順にしてあります。

アウトストーンをプレイエリアから取り出すこと。
以下の条件でアウトとなり、ストーンが取り除かれる。
・ストーンがサイドラインに触れた場合
・ホッグラインからバックラインの間以外にストーンが出た場合
ウィックガードストーンの位置をアウトにならないようにずらすこと。
ウエイトストーンのスピードや投げる強さのこと。
ウォー試合中に聞こえる掛け声の一つ。
スウィープすることを辞めろという指示。
エキストラ・エンド延長戦のこと。
エンド各チーム8投ずつの計16投を一括りにしたもの。10エンドで1試合となる。
ガード他のストーンを守るストーンのこと。
カム・アラウンド置かれているストーンの内側にストーンを回り込ませるショットのこと。
(解説実況を聞いていると「カバーランド」や「カマーランド」に聞こえがちなので注意)
コンシード相手の勝ちを認めて試合を終了にすること。
10エンドマッチでは6エンド終了後から可能で、スキップが相手に握手を求めることで行う。
サイドライン左右の端のライン。
スウィープ滑っているストーンの動く先をブラシで掃くこと。
スウィープによって滑る距離が伸びたり、曲がり方が変化する。
スキップ試合において戦術や戦略を決定するゲームにおける司令塔。
相手チームのストーンがティーラインを越えてきた場合はスキップのみがスウィープできる。
センターラインティーとティーを結んでいる直線のこと。
ストーンカーリングでいっぱい投げてるアレのこと。
テイクアウト相手のストーンをはじき出してアウトにすること。
ティーハウスの中心のこと。
ティーラインセンターラインと垂直に、ハウスの中心を通る直線のこと。
ドローショット自分たちの狙った位置に直接ストーンを置くためにショットのこと。
ナンバー〇〇ハウス内の中心から近い順に、ナンバーワン・ナンバーツー…と呼称される。
ハウス円状の的のこと。この中心にストーンを残すことで得点になる。
ビックエンド1エンドで3点以上の得点をすること。
ピールテイクアウトしつつ自分の投げたストーンもアウトにするショットのこと。
ブランクエンドエンド終了時に両者得点になるストーンが存在しない状況のこと。
この場合、次のエンド時も先攻後攻が入れ替わらないまま行われる。
フリーガードゾーンホッグラインからティーラインの間で、ハウスを除いた部分。
オリンピックでは、5投目まではこのゾーンにあるストーンをアウトにできない。
フリーズ置かれてあるストーンに密着させるようにストーンを置くショットのこと。
ホッグラインハウスの手前にあるラインで、ティーラインから21フィート(約6.4m)離れている。
ヤー
ヤップ
スウィープしろの指示。
ロコ・ソラーレ日本女子カーリングチームを運営する一般社団法人。
2018年平昌五輪と2022年北京五輪で日本代表として戦い、
それぞれ史上初の銅メダルと銀メダルを獲得した。
ロール置かれているストーンに当て、投げたストーンを狙った位置まで動かすショットのこと。
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